枝打ち作業
先週は枝打ちをしてたケンです。
こんな風に打っていきます。(今回は全体的にます口調でいきます。)
ここの木は樹齢で12年目。なので1回目の枝打ちとなります。
地面から180センチ程度の高さの枝まで打っていくます。
枝打ちは木が寝てる涼しい時期が適しています。温かい季節にすると打ったところからヤニがでてきて作業着や手袋がコールタールまみれのようになります。
彼は新人なので生真面目に防護眼鏡と防護マスクと防護手袋で完璧な防御体勢をひいています。
防護手袋というのはケプラー繊維で出来ていて動いてる刃が指を直撃しても切断を免れることができると言われています。
キャリアを積むと段々危険意識が薄くなって身軽な装備で作業したくなります。この写真を見て自分も今一度初心に帰ろうと思いました。
1本の木を打つのに1分強かかります。1日に300本以上の木を処理していきます。地味な地味な作業です。作業中は勿論常に1人で誰とも喋れません。
枝打ちアフターの木。
なんでこの作業をするかというと節の無い良質な材を作る為だそうです。
でも今時期、柱をむき出しにしてる豪邸が何%造られてるのでしょうか!?少なくとも5年前に建てた我が家の細い柱は全てクロスで覆われています。
枝打ちされた木は順調に育てば5年後の2015年頃に2回目の枝打ちをされます。2回目は1.5メートルの梯子をかけて3.5メートルほどの高さまで枝を打つことになります。なので2回目の作業に支障をきたさないために1回目の枝打ちの時点で1、5メートル以上は打っておかなくてはなりません。
このような不良生木は枝を打ってもらえません。彼らはこの時点で造林木としての使命を終えあとは文字通り「枯れ木も山の賑わい」として生きていきます。で、通常2回目の枝打ち後にある1回目の間伐作業で処理され短い一生を終えます。
自分達の組合では1ヘクタールの山林に原則3000本の杉、ヒノキを植えます。そのうち1回目の枝打ちをされるのはおよそ2000本。植えてからたった12年で3分の1がふるいにかけられる計算になります。
今回枝打ちした木が数回の枝打ち、間伐、利用間伐等を経て最終的に市場に出るのはおよそ40年後。自分は恐らくこの世にいないでしょう。そのときに何本の木がこの山から出荷されるのか草葉の陰から見守っていようと思っています。
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